兵庫県の斎藤元彦知事らへの告発文書を巡る問題で、一連の対応による体調不良を理由に、県の小橋浩一理事が31日にも準特別職から部長職に降格し、総務部付となることが30日、県関係者への取材で分かった。小橋氏は斎藤知事の肝いり施策である「若者・Z世代支援」事業などを担当。今月22日から休んでおり、24日付で異動願を提出していた。
文書問題を巡っては、筆頭副知事の片山安孝副知事が「県政の混乱を起こした責任を取る」として、今月末での辞職を表明。副知事は8月1日から服部洋平氏だけの1人体制となる。さらに県のナンバー4に当たる理事の小橋氏も不在となる見通しで、斎藤知事を支える県の中枢が空洞化し、意思決定や事業のさらなる停滞が避けられそうにない。
県の関係者によると、小橋氏は精神的な不調を訴えており、異動願では「業務執行上の自信がなくなった」として部長級への降格を希望したという。
小橋氏は、新県政推進室長兼企画県民部長や同総務部長などの要職を歴任し、今年4月に理事に就いた。理事職は部長職より上位の準特別職で、斎藤知事は6年ぶりに理事を復活させて人事異動の目玉とし、小橋氏は県立大無償化事業などを進める「若者・Z世代応援推進本部」のとりまとめ役などを務めていた。
元西播磨県民局長が3月に作成した告発文書では小橋氏の名前も挙がり、「3年前の知事選で事前運動に関わった」などとする疑惑が記されていたが、県は人事課の内部調査で「事実はなかった」と否定していた。(前川茂之)