模型を使って子どもたちに家具固定の方法を教える和氣光代さん(左から2人目)と岸本くるみさん(同4人目)=神戸新聞社(撮影・杉山雅崇)
模型を使って子どもたちに家具固定の方法を教える和氣光代さん(左から2人目)と岸本くるみさん(同4人目)=神戸新聞社(撮影・杉山雅崇)

 阪神・淡路大震災から来年で30年となるのを前に、体験者から学ぶ「第2回こども震災学校」が3日、神戸市中央区の神戸新聞社であった。震災で両親を亡くした元中学教諭の和氣光代さん(57)=同市灘区=と、神戸で被災した岸本くるみさん(37)=同市須磨区=が講師となり、かけがえのない命と備えの大切さを呼びかけた。

 神戸新聞社が語り部グループ「語り部KOBE1995」と協力し、4月に第1回を開催。今回は小中学生14人と保護者ら計約30人が参加した。

 語り部KOBEのメンバーでもある2人は、写真やイラストを使って地震発生直後の状況を説明。同市東灘区の実家が倒壊し、両親を失った和氣さんは「何を頑張れば戻ってきてくれるのかなあ。そんなことばかり考えた」と振り返り、「どれだけの人がそんな悲しい思いをしたのか。自分の命と、周りの人たちの命を大切にして」と訴えた。

 当時、同市兵庫区の会下山小2年だった岸本さんは「ゴジラに揺さぶられたような」激しい揺れや、断水で水をくみに行った日々などを紹介。「自分の大切なものを思い浮かべ、それを守るためにできることを考えて」と語りかけた。

 明石市の鳥羽小5年小川翔大さん(10)は「命は一つしかなくて、すごく大事。今日のことをお姉ちゃんや弟にも教えてあげる」と話した。第3回は10月12日、神戸市須磨区の千歳公園などで開催する予定。(上田勇紀、名倉あかり)