家々に明かりがともる頃、電線の上に集まって休むツバメたち=神戸市中央区、メルカロード宇治川
家々に明かりがともる頃、電線の上に集まって休むツバメたち=神戸市中央区、メルカロード宇治川

 夕闇に包まれていく商店街。頭上に小さなシルエットが浮かぶ。神戸市中央区のメルカロード宇治川で、20羽ほどのツバメが電線に並んで休む姿が見られた。

 渡り鳥のツバメは、春になると餌が豊富な日本へ飛来する。子育てを終えて、8~9月に東南アジアへと飛び立つまでの間は天敵を避けたり、餌場の情報を共有したりするために集団でねぐらを作る。河川敷などのヨシ原に大群で集まることが多いが、都市部にいる時は電線の上で夜を明かすこともあるという。

 商店街に事務所を置く「日本野鳥の会ひょうご」によると、今シーズンはここで計23羽の巣立ちが確認された。夜7時を回ると、まだ尾羽が短い幼鳥や親鳥がアーケードのそばに集まってきた。身を縮めるようにして休息する様子に、買い物客らも「かわいい」と目を細めていた。(風斗雅博)