損害賠償を求めるに至った思いを話す堤将太さんの父敏さん(左)=22日午前、神戸市中央区橘通1
損害賠償を求めるに至った思いを話す堤将太さんの父敏さん(左)=22日午前、神戸市中央区橘通1

 神戸市北区で2010年、高校2年の堤将太さん=当時(16)=が刺殺された事件で、堤さんの両親ら家族5人が、殺人罪で懲役18年の判決を受けた当時17歳の男(31)=控訴中=と両親に約1億4900万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が22日、神戸地裁(天野智子裁判長)であった。

 原告の一人で父親の敏さん(65)が意見陳述。「事件が長期化し私たちの抱えた焦りや不安、悲しみと怒りはより深刻になった。あの時、私たちの心も殺された」と述べ、「加害者らから一言の謝罪もなく損害賠償の支払いの申し出もない。どこまで自分の責任から目をそらすのか」と問いかけた。