1997年に発生した神戸連続児童殺傷事件の全記録を、2011年に廃棄していた神戸家裁。今年7月1日時点で、特別保存(永久保存)とされた少年事件記録が依然、ゼロ件のまま推移している。今年4月の時点で、永久保存の外部からの要望もなかった。神戸新聞は5月、県内の重大少年事件1件の永久保存を求める要望書を提出した。
23年だけでも3千件以上の少年事件が審理されている神戸家裁は廃棄問題の発覚時、永久保存された少年事件記録が1件もなかった。最高裁のまとめでは、同家裁の管内では、神戸連続児童殺傷事件だけでなく、稲美町で起きた高1集団暴行死事件(97年)や御津町タクシー強盗殺人事件(00年)など、少なくとも5件の重大少年事件の記録が廃棄されていた。