神戸市西区で2023年6月、近くに住む穂坂修ちゃん=当時(6)=が遺体で見つかった事件で、修ちゃんへの傷害致死などの罪に問われた母親の沙喜被告(37)ら3姉妹の第5回公判が28日、神戸地裁であり、沙喜被告に対する弁護側の被告人質問が始まった。叔父の大地被告(34)との同居について問われ、宝物を壊された幼少期の記憶から「また私の大切な子を奪われると思った」と証言。大地被告が家族を暴力で支配していた様子を語った。
沙喜被告は、幼少期の大地被告について「人の物を壊したり、生き物を殺したりしていた」とし、祖父との写真や、ぬいぐるみを壊されたと振り返った。
その後16年間離れていたが、22年12月に同居が始まった。大地被告は家族に手を上げ「大地が修を蹴ろうとしていたので割り込んだら、大地に首を絞められた」と説明。事件当日は、修ちゃんの首を大地被告が絞めたといい「唇が紫になっていた」と語った。
叔母の朝美被告(33)、朝華被告(33)も28日までの被告人質問に対し、大地被告と同居して以降、生活が一変したと回想した。大地被告は「おまえたちを救いにきた」と言い、自らを「警察のトップ」「神」などと伝え、食事や睡眠時間も指示したという。
朝華被告は「大地の命令で、お姉ちゃん(沙喜被告)が『おまえなんか嫌いだ』と叫びながら鉄の棒で背中をたたいた」と証言。修ちゃんの背中の上を大地被告が跳びはねたといい「(大地被告が)怖くて止められなかった」と話した。
起訴状によると、4人は共謀し23年6月19日、同市西区の自宅で、修ちゃんの背中を鉄パイプで多数回にわたって殴ったり踏み付けたりするなどして死亡させ、同日夕方、遺体を草むらに遺棄したとされる。
12月1日も沙喜被告への被告人質問が行われる。
























