兵庫県は17日、県立はりま姫路総合医療センター(姫路市)に入院していた80代女性に血液が固まるのを防ぐ抗血栓薬を処方することを失念し、女性が脳梗塞を発症する医療過誤があったと発表した。女性は左半身にまひが残った。県は遺族に損害賠償として950万円を支払って和解する方針で、県議会9月定例会に関連議案を提出する。
県病院局によると、女性は23年2月、不整脈の一種「心房粗動」により同センターに入院。かかりつけ医による紹介状には、女性が抗血栓薬を服用していると記されていたが、循環器内科の30代医師は薬の処方を指示したと思い込み、看護師らに共有できなかった。
その後、女性はリハビリを経て同年7月に別の病院へ転院。約2カ月後、持病の慢性心不全により死亡したという。県は「医療過誤との因果関係はない」としている。(千葉翔大)