遺児の支援施設「神戸レインボーハウス」(神戸市東灘区)は、1995年の阪神・淡路大震災で父と妹を亡くし、自らも生き埋めになった少年が描いた「黒い虹」の絵をきっかけに誕生した。子どもの心のケアの象徴として「黒い虹」の絵は全国に広がる一方、木の板に描かれた原物は兵庫県香美町の海水浴場に飾られ、30年近くそのままになっていた。神戸新聞の記事で現状を伝えたところ、その原物が今月、レインボーハウスに移された。
阪神・淡路で、あしなが育英会(本部・東京都)は遺児573人を支援した。その中に小学5年の「かっちゃん」がいた。両親と6人きょうだいが暮らしていた神戸市中央区の文化住宅は激震で崩れ、父と妹が亡くなる。かっちゃんも9時間生き埋めになった。