定例会見で記者の質問に応じる斎藤元彦兵庫県知事(右奥)=8日午後、神戸市中央区、兵庫県庁(撮影・大田将之)
定例会見で記者の質問に応じる斎藤元彦兵庫県知事(右奥)=8日午後、神戸市中央区、兵庫県庁(撮影・大田将之)

 「精神障害者は生まれること自体が不幸」。兵庫県が、かつてそう断言していた時期があった。「不幸な子どもの生まれない県民運動」(1966~74年)と題し、全国に先駆けて優生施策を推進。その多くが精神障害者や知的障害者で、自らの意思を主張できない人が犠牲を強いられた。

■「形だけの謝罪ではなく、被害の回復につなげて」

 こうした運動は全国に広まった。2019年に当時の安倍晋三首相が談話で被害者への「おわび」を盛り込んだ後も、県は「国の機関委任事務を実施してきただけ」と謝罪と総括を拒み続けてきた。