神戸新聞NEXT
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 1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、耐震性能の低い建物が倒壊し、多くの命が奪われた。一方で、近隣住民の助け合いで救われた命があった。この30年間の社会の変化を全国統計などからみると、住民の高齢化が進み、自治体職員や消防団員は減少するなど身近な防災力の弱まりが懸念される。社会の脆弱化と災害の進化にどう向き合うか。課題は多い。

 阪神・淡路後(一部に95年以前を含む)の変化=表=をみると、65歳以上の割合を示す高齢化率と、1人暮らしの高齢者の増え幅が目を引く。95年に全国で14・6%(兵庫県14・1%)だった高齢化率は2023年には29・1%(同29・9%)と30%近くにまで上昇。95年に約220万人(兵庫県約11万人)だった1人暮らしの高齢者は、20年に約672万人(同約31万人)と3倍に膨れあがった。