6434人の命が奪われた阪神・淡路大震災。関西学院大(西宮市)では学生15人のほか、現職の専任教員も亡くなった。文学部の教授だった中川努さん=当時(44)。飛び抜けたフランス語能力で語学教育に情熱を注ぎ、自宅で得意の料理を振る舞った。30年たってもその姿は、友人や教え子の胸の中で生き続けている。(田中真治)
■ミッテラン仏大統領の通訳を務めたことも
東浦(とううら)弘樹・関学大教授(65)=仏文学=が出会ったのは、京大から関学大大学院に進んだ1982年。中川さんも前年に着任したばかりで、学生やフランス人と語学合宿をするので来ないかと誘われた。