東京駅から高松駅(香川県)と出雲市駅(島根県)を結ぶ寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」が快走を続けている。定期的に運行されている寝台列車としては国内唯一。観光やビジネスなどに幅広く利用される。だが使用車両は今年で登場から27年。老朽化も心配され、鉄道ファンの間で存廃についての議論がたびたびわき起こる。サンライズ号の歩みと今後の見通しについて、運行主体の一つ、JR西日本と専門家に聞いた。(杉山雅崇)
終電間際のJR三ノ宮駅(神戸市中央区)。飲み会帰りのサラリーマンらで混雑する上り線ホームに、ベージュと赤色の車体が滑り込んできた。東京行きのサンライズ瀬戸・出雲だ。
「なんやこれ」「すご」。ホームに止まった見慣れぬ列車に、若い女性らから驚きの声が上がり、スマホが向けられる。ドアが開くと、キャリーケースを引いた客が次々と乗り込んでいった。
東京の実家に帰省するという男性(32)に話を聞いた。「仕事帰りに乗れば、翌朝には東京。夜行バスよりは割高だけど、寝台で横になれるからぐっすり眠れる。そこが魅力ですね」と語り、笑顔で飛び乗った。
■存廃たびたび話題に