兵庫県尼崎市は24日、市内の企業が固定資産税・都市計画税の過大徴収を訴えた賠償請求訴訟で敗訴した、と発表した。神戸地裁尼崎支部は22日付の判決で原告の主張を全面的に認め、請求通り約1億9300万円の支払いを市に命じた。市は判決を不服として大阪高裁に控訴する方針。
訴訟は線材加工メーカー「日亜鋼業」が提起。市によると、同社は同市道意町に所有する土地を税制上の「大工場地区」ではなく、「中小工場地区」として市が評価していたことに注意義務違反があると主張。2003~17年度に納税した過払い額約1億7600万円の返還を求めていた。
対象の土地は大工場地区とみなされると納税額が一定程度減るという。同社は18年、市固定資産評価審査委員会に不服を申し立て、21年に大工場地区との主張が認められた。
このため市は18~21年度分の過大徴収分の金額を返還。同社は17年度以前の納税分でも返還を求めたが、市が応じなかったため22年10月に提訴していた。
市は「実情に基づく評価をしてきたと認識している。控訴審の判断を仰ぎたい」と話した。同社は「コメントは差し控えたい」とした。(金 旻革)