事故から20年。祈りの杜の前を通過する電車=25日午前8時14分、尼崎市久々知3(撮影・丸山桃奈)
事故から20年。祈りの杜の前を通過する電車=25日午前8時14分、尼崎市久々知3(撮影・丸山桃奈)

 尼崎JR脱線事故は25日、発生から20年の時を刻んだ。「子どもを亡くしたつらさは全く変わらない」とつぶやく父がいた。「JR西日本は本当に安全な会社に変わったのか」と問いかける母がいた。あの日を忘れまい。事故現場にできた追悼施設には終日、目を閉じ、花を手向ける人の姿が絶えなかった。

■次男亡くした上田弘志さん

 次男の昌毅さんは18歳だった。父の上田弘志さん(70)=神戸市北区=は「子どもを亡くしたつらさは全く変わらない。変わりようがない」と祈りを重ねた。