4月に兵庫県内であった伊丹、宝塚、淡路、豊岡、香美の5市長・町長選で神戸新聞社が出口調査をすると、投票に当たって2~4割が、斎藤元彦知事が再選した県知事選や一連の県政の混乱を「考慮した」と答えた。但馬地域では20%台前半だったのに対し、阪神間では30%台後半。都市部の方が高い傾向があったが、地方でも知事選の影響が続いていることがうかがえる。
伊丹、宝塚市長選はいずれも無所属新人3人の争いに。伊丹では「斎藤知事を支持する」と表明した候補を、知事選で斎藤陣営にいた西宮市議や姫路市議らが支援し、交流サイト(SNS)や街頭でPRした。宝塚では事実上の「保守系統一候補」として自民党と日本維新の会が推薦した候補のもとに地域政党「躍動の会」の県議らが応援に入った。
いずれの候補も敗れたが、伊丹では、知事選などを「考慮した」が36・2%、宝塚では37・1%だった。
現職を含む無所属3人が激しく競った豊岡市長選で「考慮した」は23・7%。現職と新人の一騎打ちとなった香美町長選では23・2%。一方、6選を目指した79歳の現職に対し39歳の新人と日本保守党推薦の元市議が挑んだ淡路市長選ではやや高く、29・5%だった。
伊丹、宝塚市長選では投票先を決める際に最も参考にした情報についても尋ねた。「ユーチューブやXなどのSNSサイト」を挙げた人は全体の6~7%だったが、伊丹ではその60・9%が「斎藤知事を支持する」を掲げた候補に、宝塚では56・5%が「躍動の会」が応援に入った候補に投票していた。
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調査は期日前投票期間と投票日の6日間に実施。伊丹市=1141人▽宝塚市=1570人▽淡路市=1076人▽豊岡市=1026人▽香美町=591人から回答を得た。複数回答は無回答として処理した。(特集取材班)