夕日に包まれた神戸市中心部のタワーマンション。投資対象になっており、空室への課税も検討され始めた=神戸市長田区、高取山から望む
夕日に包まれた神戸市中心部のタワーマンション。投資対象になっており、空室への課税も検討され始めた=神戸市長田区、高取山から望む

 山と海が近く自然豊かで、買い物にも便利-。神戸市の都心部で近年、その住みやすさからタワーマンション(タワマン)が一気に増え、建設規制や空室への課税議論も起こっている。

 市によると、2010年以降、中央区で建設ラッシュがあった。市内にある高さ60メートル以上もしくは20階以上の分譲マンションは64棟(うち2棟は建設中)。投資目的などで生じる空き部屋の割合は高層階ほど高く、価格の高止まりを招いているとの指摘もある。

 市は「将来的に廃虚化する可能性が高い」などとして、20年から新規建設を条例で抑制。市の有識者会議は今年、投資目的で部屋を持つ非居住者に「空室税」を課すことを提言した。

 夕刻、長田区の高取山から東を眺めると、日差しが当たったタワマン群が鮮やかに浮かび上がった。空室への課税議論は全国的にも珍しい。その進展が注目されている。(笠原次郎)