JR加古川線・滝野駅のホームから2両編成の車両に乗車する人たち=加東市上滝野宮前

JR加古川線・滝野駅のホームから2両編成の車両に乗車する人たち=加東市上滝野宮前

 神戸新聞社は兵庫県内の駅について、国が公表している最新データをもとに乗降客数ランキングをまとめました。路線別に集計したうち、まずはJR144駅のランキングから紹介します。(記事の末尾に全順位を掲載)

 ■トップは三ノ宮駅

 出典は国土交通省の「駅別乗降客数データ」です。今年6月に公表された2022年のデータを集計しました。

 JRトップは三ノ宮駅。約21万9500人で、2位の神戸駅(約10万7100人)に倍以上の差をつけました。阪急、阪神などの鉄道駅やバスターミナルなどの交通結節点となっており、繁華街やオフィス街を抱えることから、堂々の1位となりました。

 データのある11年以降、1位と2位は不動でした。

 ■姫路、明石駅が大激戦

 3位と4位は近年、し烈な争いを繰り広げている2駅が入りました。

 3位は姫路城を正面に望む姫路駅(約9万1600人)でした。15年春に駅前の再整備が終わり、歩行者やバス・タクシーが優先して通れる駅前に生まれ変わったことで、利便性が向上。11年には5位でしたが、順位を上げてきました。

兵庫県内JR駅の乗降客数 上位10駅(2022年)

 4位はごく僅差で明石駅(約9万1100人)でした。こちらもタワーマンションを含む再開発を17年に終えたばかり。明石市は独自の子育て支援で人口増を続けており、その勢いも表れました。

 この2駅は14年以降ずっと3、4位にランクイン。21年まで明石駅が7勝1敗でしたが、今回は姫路駅が一矢報いました。

 ■尼崎駅、塚口駅に勢い

 工場跡地の再開発が進み、駅前が「住みたい街」として注目されている尼崎駅(約8万3400人)は5位。以前は6位が指定席でしたが、ここ5年は5位が続いています。

 尼崎市内では、同じく再開発のあった塚口駅(約2万1600人)も存在感を示しました。順位は30位ですが、10年前の35位から着実にランクアップ。乗降客は約20%も増えました。

 鉄道全体の輸送人員が減り、ほかの上位駅ではコロナ禍の影響も残る中、11年に比べて乗降客が増えているのは上位30駅の中で尼崎駅と塚口駅だけでした。

 ■元町駅はダウン

 一方、ランキングが下がり続けているのが、今回7位だった元町駅(約6万200人)。三ノ宮駅から1キロも離れておらず、旧居留地や大丸神戸店といった神戸のシンボル的存在の最寄り駅です。

 新快速の停車しない駅ながら上位を守っていましたが、近年は苦戦しています。13年まで明石駅に次いで4位(約9万6900人)だったのが、14年に姫路駅に抜かれ、18年からは尼崎駅にも引けを取るように。前回21年からは、同じく新快速の止まらない住吉駅の後塵(こうじん)を拝しています。

 ■1千人以下は59駅

 ランキングに登場する144駅のうち、1日平均の乗降客数が1千人を下回ったのは59駅。うち18駅は100人を切っていました。

兵庫県内JR駅の乗降客数 下位10駅(2022年)

 最も少なかったのは加古川線の久下村駅で4人。続いて山陰線の久谷駅が8人でした。その上の4駅はいずれも加古川線の駅で10~16人でした。

▼1位から144位の全ランキング▼