参院選は19日、17日間の選挙戦の最終日を迎えた。兵庫選挙区(改選数3)は過去最多に並ぶ13人が立候補し、混戦のまま最終盤にもつれ込んだ。連日、各政党の幹部が応援に入り、比例票も掘り起こそうと懸命のアピール。物価高や景気対策などを巡る舌戦は日を追うごとに熱を帯び、有権者は最後まで聞き入った。
参政党新人の藤原誠也氏(37)は地元の加古川市からスタートし、人出の多い明石、西宮、神戸・元町へ。支援団体のない「一般国民の代表」とアピールし、「外国人頼りの今の政府では駄目。日本人が日本を支える社会を」と主張した。
自民党現職の加田裕之氏(55)は大丸神戸店前で、駆けつけた小池百合子東京都知事と並び、防災の推進を強調。三宮の繁華街で最後のマイクを握り、「兵庫、日本を前に進め、県内41市町の声や課題を国に伝えていく」と力を込めた。
国民民主党新人の多田ひとみ氏(45)の応援には、榛葉賀津也幹事長が4度目の兵庫入りし、「減税や教育・科学技術予算増で日本を強くする」と主張。神戸・三宮から阪神間に移動した多田氏は「皆さまの手取りを増やす」と訴えた。
公明党現職の高橋光男氏(48)は、加田氏の応援から転戦した小池都知事と、出身地の阪急宝塚駅前に立った。備蓄米の放出などコメ問題での活動を挙げた上で、「政治は結果。やると決めたらやりきる」と声をからした。
諸派元職の立花孝志氏(57)はJR須磨駅前などを回り、斎藤元彦兵庫県知事を支持していると繰り返しアピール。「兵庫県から日本を変える」と訴え、マイク納めの明石駅前では、増山誠兵庫県議らと並んで有権者に支持を求めた。
日本維新の会新人の吉平敏孝氏(44)は、7度目の兵庫入りとなる吉村洋文代表と神戸ハーバーランドで演説。「これからを生きる子どもたちのために、社会保険料の負担を下げ、手取りを増やす改革を実行する」と語気を強めた。
無所属新人で前明石市長の泉房穂氏(61)は早朝、神戸市長田区の高取神社で登山客らにあいさつした後、神戸・阪神間へ。「41市町を回って地域の声を聞いた。国民負担の軽減を実現する」と話し、最後は神戸元町商店街を練り歩いた。
社民党新人の来住文男氏(65)は、神鉄鈴蘭台駅前で「社民は崖っぷちと言われている。皆さんのお力添えを」と声を張り上げた。
れいわ新選組新人の米村明美氏(66)は「教育で不公平を是正し、持続可能な社会に」と述べ、JR神戸駅前でマイクを納めた。
共産党新人の金田峰生氏(59)は、JR三ノ宮駅前で「命と尊厳を守るのが政治の基本。『暮らしを守れ』の1票を」と訴えた。
浦木健吾氏(42)、高橋秀彰氏(42)、前田実咲氏(33)の諸派新人3人も街頭で支持を呼びかけた。(参院選取材班)
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「神戸新聞NEXT」では20日夜、参院選の開票状況を速報します。出口調査結果もお伝えする予定です。
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