神戸・阪神間を中心に、失われつつある昔ながらの商店街などをユーチューブで発信している50代の夫婦がいる。チャンネルの名は「昭和レトロ探訪」。懐かしさやぬくもりが感じられる風景を残そうと、休日ごとに各地を訪ね歩く。鮮やかな映像や流ちょうなナレーションが引きつけ、兵庫県内の視聴者らの共感を呼んでいる。(船田翔太)
「新しさに価値が置かれる時代に、便利さばかりが必ずしもまちの魅力ではない」。神戸市垂水区の塩屋地区を紹介した動画は、こう締めくくられる。
古い商店が残る駅前や郵便配達のバイクが縫うように駆け抜ける細い路地、海岸沿いを走る山陽電車が次々と映し出される。海と山に近く、下町風情が残るまちを一緒に歩いているような感覚になる。
コメント欄には「懐かしい風景をありがとう」「少年野球の帰り道、友だちと走って坂を下った」と、回顧する声があふれる。