海外から送られてきた偽ブランド品などの輸入差し止め件数が2025年上半期、神戸税関で前年同期比の約4倍に急増した。通販サイトの普及を背景に、個人が取り寄せたバッグや衣服の付属品が目立ち、担当者は「粗悪な模造品などは事故や健康被害などにつながる恐れがある」と注意を呼びかける。(村上貴浩)
全国の税関では、関税法などに基づき、特許権や商標権、著作権などを侵害する「知的財産侵害物品」の輸出入を取り締まっている。税関による通常の検査に加え、企業など権利者からの申し立てを基に調査し、差し止める場合もある。
神戸税関は山口県を除く中・四国地方と兵庫県を管轄。差し止め件数は11年に国際郵便を扱う「神戸外郵出張所」が廃止されて減少していたが、近年は増加傾向にある。24年は1年間で59件と11年以降で最多となり、さらに25年は上半期だけで67件に上った。
差し止めた品数は3万8749点で、前年同期比で約20倍に。11年以降のデータは、19年上半期の約23万1700点に次ぐ点数だ。
担当者によると、新型コロナウイルス禍などの影響で一層海外のインターネット通販サイトの利用が拡大。個人がアクセスし、偽ブランド品などを取引するケースが増えたことで差し止めの増加につながっている可能性がある。
25年上半期の67件のうち、92・5%が中国からの輸入品。点数で見ると、有名ブランドのロゴや名前が入ったファスナーやタグなどバッグ類と衣類の付属品が85・3%を占め、自動車部品やコンピューター製品、アウトドア用品などもある。
「スーパーコピー」や「S級品」「N級品」などと呼ばれる精巧なコピー品が広がっている背景もある。本物に似た素材のかばんや精密な時計などが多く出回り、担当者は「技術の発達で、偽物かどうか判別が難しくなっている」と懸念する。
全国でも昨年の差し止め件数が過去最多になっている。犯罪組織の資金源になる恐れも指摘されており神戸税関は「極端に安価な商品は避けるなど、通販サイトでの購入には十分注意してほしい」とする。
神戸税関は、専用電話(TEL0120・461・961)で知的財産侵害物品についての相談や情報提供を受け付けている。



 
          
         
           
           
       
       
       
       
      














 
          


 
           
         
        



