元兵庫県議の竹内英明氏の名誉を傷つけたとして、名誉毀損(きそん)の疑いで9日に逮捕された政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)は、竹内氏に関する動画の投稿を繰り返してきた。立花容疑者の言葉を引用したり、切り抜いたりする動画も拡散された結果、今回の逮捕容疑とされた昨年12月13、14日と今年1月19、20日の4日間に投稿された立花容疑者に関する動画だけで、総再生回数は計1千万回を大きく超えていた。
動画投稿サイト「ユーチューブ」で、立花容疑者の名前で検索して出てきた動画の拡散状況などを、分析ツール「ソーシャルインサイト」で確認した。
竹内氏が存命だった昨年12月13、14日の2日間では、大阪府泉大津市での選挙演説など計188本を確認。多くは立花容疑者以外が投稿したもので、否定的な意見表明の動画も含め、総再生回数は計747万4800回にも及んでいた。
竹内氏が自死したとみられると報じられた今年1月19日には、X(旧ツイッター)に「(竹内氏は)県警から継続的な任意の取り調べを受けていました」と投稿し、リポストは約3600回、「いいね」は約2万3100回に達した。また同様の内容の動画も公開していたが、いずれもその後削除された。同日と20日のユーチューブに投稿された動画は少なくとも計122本で、総再生回数は計約403万3800回だった。
逮捕容疑にある4日間だけで、立花容疑者に関する動画の総再生回数は計1千万回超。竹内氏が「県警から任意の取り調べを受けていた」などとする内容もあり、立花容疑者が発信した誤情報が動画を通して拡散した様子がうかがえる。
また、立花容疑者の昨年11月以降のXへの投稿で、「竹内」との言葉が含まれるものは、削除されたものを合わせて計42件あり、表示回数は計2千万回を超えていた。
以前から、竹内氏を「知事失職を企てた『黒幕』」と名指ししていた立花容疑者。昨年11月3日には、県知事選の選挙活動として、奥谷謙一県議の事務所兼自宅前で「竹内と丸尾(県議)の事務所にも行きます」と演説する様子も投稿し、竹内氏は事務所を開けなくなった。事務所には電話やメールが押し寄せていた。
立花容疑者の逮捕を受け、オンライン会見に臨んだ竹内氏の妻(50)は「その日(11月3日)の午後から本当に生活が一変した」と振り返った。
竹内氏の同級生は「立花容疑者一人に追い詰められたわけじゃない。竹内君が戻ってくるわけじゃないし、解決には遠いけど、今回の逮捕がSNSでの誹謗(ひぼう)中傷の抑止力になり、少しでも彼の名誉が回復することを切に願う」とした。
























