宝塚市立長尾中学校で2020年9月、柔道部顧問だった教諭による体罰で精神的苦痛を受けたとして、元生徒の男性が市と兵庫県に約6700万円の損害賠償を求めた訴訟が神戸地裁であり、市は男性に解決金350万円を支払う内容で和解する方針だと明らかにした。
訴状などによると、教諭はアイスクリームを無断で食べたことに対する指導として、当時1年で仮入部していた男性に柔道技をかけて加療7日間のけがを負わせた。男性はその後、不登校になり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症。現在も通常の生活を送ることができないと主張している。教諭は既に懲戒免職となった。
男性は昨年5月、国家賠償請求訴訟を神戸地裁伊丹支部に起こし、今年9月に神戸地裁から和解案が示された。市は開会中の市議会定例会に和解の承認を求める議案を提出する。市教育委員会は「双方で和解案を受け入れた」とする。
刑事裁判では、もう1人の部員にも胸椎圧迫骨折などの大けがを負わせたとして、神戸地裁は2人に対する傷害罪で、元教諭を執行猶予付き有罪とした。(池田大介)
























