支持を呼びかける高市早苗首相(左)と政権与党を強調する日本維新の会の吉村洋文代表=(いずれも29日、姫路市内、撮影・辰巳直之)
支持を呼びかける高市早苗首相(左)と政権与党を強調する日本維新の会の吉村洋文代表=(いずれも29日、姫路市内、撮影・辰巳直之)

 衆院選は公示直後から、主要政党の党首ら幹部クラスが続々と兵庫入りし、消費税減税や解散の是非などを巡り論戦を展開している。29日には自民党総裁の高市早苗首相と日本維新の会の吉村洋文代表が、「与党対決」となった選挙区でそれぞれの候補者への支持をアピール。序盤情勢で勢いを見せる自民と、「高市人気」にあやかりたい維新の思惑が交錯した。

 「緊縮思考で国内投資が減っていた。だから方向転換する。成長する未来を残さなくてどうする」

 公示後初めて兵庫入りした高市首相。有権者で埋め尽くされたJR姫路駅前で演説し、積極財政による経済対策の必要性を強調した。

 自民は県内12選挙区のうち、11選挙区に公認候補を立てた。連立を組む維新とは選挙区調整をせず、兵庫11区(旧姫路市)など9選挙区で競合するが、共同通信社が実施した序盤の情勢調査では、各選挙区で自民の堅調ぶりが判明した。

 この日、姫路では高市首相が維新に言及することはなかった。ある自民関係者は「維新との協力は大前提だが、(首相は)単独過半数を取りたいとの思いが強いのだろう」と推し量った。

 この約1時間前、同駅北側では吉村代表が街宣車の上から聴衆と向き合った。吉村代表の兵庫入りは、公示日に続き2度目だ。

 「高市さんだけでは、やりたくてもできないことがある。食料品の消費税をゼロにしようとしても自民の中に反対する人がいる。だからこそ維新がアクセル役になる」。高市首相を支える姿勢と、連立の枠組みの中で果たす維新の役割を説明した。

 高市内閣の支持率は24、25日に実施した共同通信の調査で63・1%と高水準。維新関係者は「本当なら自民の『政治とカネ』の問題や企業・団体とのつながりを強く批判したい面もある」としつつ、「高市首相との良好な関係を強調し、連立入りしたことで実現できる政策を示す方が建設的だ」と党の戦略を読み解いた。

      ◇

 各党も党勢拡大に向け、幹部が県内各地で支持を呼びかけている。

 立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合」の斉藤鉄夫共同代表と共産党の田村智子委員長は公示日に来援。ともに「解散に大義がない」などと高市政権を批判した。

 国民民主党は榛葉賀津也幹事長が28日に神戸入り。「政策の実現に徹底的にこだわる。手取りを増やす」と力を込め、同じ日には日本保守党の百田尚樹代表も神戸市内で演説した。

 参政党の神谷宗幣代表は公示前の25日、西宮市内に立候補予定者を集め、支援者に協力を求めた。(有島弘記、金 慶順)