高架橋から飛び降りようとしていた10代の女性を救助したとして、兵庫県神戸市垂水区に住む会社員、坂本知仁さん(42)に県の善行賞「のじぎく賞」が贈られた。女性に声をかけ続け、抱きかかえて安全を確保したという。
3月中旬の週末の昼下がり、坂本さんは妻の絵梨子さん(43)らと自宅周辺でごみ拾いをしていた。スロープを上がっていくと、高架橋の歩道の手すりに、脚を外側に向けて腰かけている女性がいた。
地面からの高さは、約10メートル。周りには誰もいない。絵梨子さんが「大丈夫?」「どうしたん?」と話しかけたが、女性は無言で遠くを見つめていた。
坂本さんは「話すだけでも楽になるかもしれん」と声をかけ続けながら女性に近づき、上着の裾をつかんだ。「とにかく飛び降りないように必死だった」と振り返る。
「いいんです」「つらいんです」。女性がぽつぽつとしゃべり始めた。「怖くて動けない」とも明かしたため、坂本さんは、抱きかかえて手すりから下ろした。
女性は、歩道に立ち尽くした。震えが止まらず、ジュースやお茶を手渡しても、口にしない。絵梨子さんが「初めて会った私やけど、こんなんされたら悲しい」と背中をさすりながら語りかけた。
「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返す女性。2人は寄り添い続け、通報を受けて駆け付けた垂水署員に託した。
4月28日、垂水署でのじぎく賞を受けた坂本さん一家。女性の身の安全を第一に考えた行動をたたえられた坂本さんは「女性のことは、ずっと気になっている。元気に過ごしてほしい」とおもんぱかった。(尾仲由莉)























