絶滅の恐れが増している水生植物のオニバスが、明石市大久保町西島の西島新池で水面を覆い尽くすほど繁茂している。一年草で、全く見られない年もあるが、昨年から2年連続の大量出現。今年は昨年以上の株数で、専門家は「近年まれにみる大群生だ」と驚いている。
オニバスはスイレン科。水上に広がる葉は表面にとげがあり、直径2メートル以上に育つことも。近年は埋め立てなどで生育環境が失われ、現在は全国50カ所程度に分布するとされる。兵庫県内でも一部の池でしか見られず、県版レッドリストでBランクに指定されている。
明石市やその周辺で1985年から調査を続ける碓井信久さん(73)によると、西島新池では2021年から多く見られるようになった。一昨年は全く出なかったのに、昨年は広さ約1・8ヘクタールの池の水面を覆うほど発生した。直径2・5メートルを超える大きな葉があった一方、今年は同数十センチの葉が目立つ。
発生のメカニズムは多くの研究者によっても解明されていないというが、その鍵は「人の営みにある」と碓井さん。農閑期の秋以降に池の水を一度抜く伝統的な管理が重要という。西島新池では毎年、稲刈り後に水を抜いている。
播磨町の狐狸ケ池や姫路市の別所中池など、池の工事などを機に数十年ぶりに群生が復活する例もある。碓井さんは「オニバスは平野部で人とともにあった植物。人の営みの影響を受けやすく、うまく管理すれば維持できる」と話している。(吉田敦史、丸山桃奈)
























