入居が始まった仮設住宅に支援物資を運び込む有志のトラック運転手ら=5日午前、熊本県氷川町
 入居が始まった仮設住宅に支援物資を運び込む有志のトラック運転手ら=5日午前、熊本県氷川町

 地震発生から1カ月余り、厳しい暑さの中で避難生活を送ってきた熊本県氷川町の被災者が5日、仮設住宅への入居を始めた。部屋の中を確認して掃除機をかけるなど、引っ越し作業に追われつつ、仮住まいの「新居」にほっとした様子も。今回の対象はわずか20戸で、入居できない住民を気遣う声も聞かれた。

 「畳の良い香り。少し狭いけど、妻と2人には十分」。会社員宮川高弘さん(73)は鍵を受け取り、県産イ草を使った畳の香りに目を細めた。60年ほど住んだ家は断層の上にあるといい、再建は難しいという。「やるべきことがたくさんで安心はできないが、今日は足を伸ばしてゆっくり寝たい」と話した。

 猫3匹を連れ、夫と入居する公務員宮川友佳さん(46)は、間取りや水道の状況を確認していた。ペットも入れる避難所に身を寄せたが「夜に猫が鳴くと落ち着けなかった」と振り返る。「入れなかった人には申し訳ない気持ちもある」と複雑な表情も見せた。

 電飾や絵で飾った「デコトラ」に乗る有志約30人が全国から集まり、支援物資を仮設住宅に運び込んだ。