福岡-神戸 17試合ぶりに先発し、奮闘する神戸の飯野(中央)=福岡市、ベスト電器スタジアム(撮影・井川朋宏)
福岡-神戸 17試合ぶりに先発し、奮闘する神戸の飯野(中央)=福岡市、ベスト電器スタジアム(撮影・井川朋宏)

 明治安田J1リーグ第22節第2日の28日、ヴィッセル神戸は敵地ベスト電器スタジアム(福岡市)でアビスパ福岡と対戦し、0-0で引き分けた。今季2度目の4連勝を逃し、11勝4分け6敗の勝ち点37で暫定4位。

 両者無得点で迎えた後半追加タイム。神戸はロングボールから福岡の碓井にかわされ、ゴール右下に流し込まれた。だがオフサイドの判定となり、命拾いとなった。

 9戦ぶりの無失点も、勝利に結びつけることはできなかった。互いに決定機が限られ、堅い試合に。6戦連続で複数得点中の勢いが止められ、ゴール前の迫力を欠いた。

 前節まで4戦5発で「自分のプレーを表現し続ける」としていた宮代が封じられた。前線では武藤、大迫に続いてジェアンパトリッキも離脱。17試合ぶりに右ウイングで飯野が先発し、豊富な運動量で攻撃を活性化したが、後半序盤に無念の負傷交代となった。

 途中出場の切り札のエリキ、汰木、鍬先も流れを変えられず。好位置で得たFKなど頼みのセットプレーも生かせなかった。「1点を争う試合になる」(GK前川)との想定通り、最後まで球際で激しく競り合い、一歩も譲らなかった。

 吉田監督は「チームとしてやるべきことの共通理解が高まっている」と手応えを示していたが、この試合では神戸らしさが出し切れなかった。

 中2、3日で続く3連戦の初戦。敵地での消耗戦の中、負けなかったことは救いか。次戦は昨季の1、2位対決となる広島との大一番。指揮官は「次に勝てばポジティブに捉えられる勝ち点1」と前を向いた。(井川朋宏)