広島-神戸 後半43分、オウンゴールで先制し、喜び合う神戸イレブン=エディオンピースウイング広島
広島-神戸 後半43分、オウンゴールで先制し、喜び合う神戸イレブン=エディオンピースウイング広島

 明治安田J1リーグ第30節第1日の20日、ヴィッセル神戸は広島市のエディオンピースウイング広島で5位サンフレッチェ広島と対戦し、1-0で破った。3試合ぶりの白星で15勝4分け8敗と勝ち点を49に伸ばし、2位に浮上した。

 どんな形でも、神戸にとって待望のゴールだった。相手の退場による数的優位を生かせないまま迎えた後半42分。永戸の右CKからゴール前の混戦で泥くさく本多らが体を張り、オウンゴールを呼んだ。これが3戦ぶりの得点となり、辛くも勝利を手にした。

 3連覇に向け、3連敗だけは避けなければいけなかった。この一戦の重みを知る神戸のベテラン大迫が、前戦で負傷離脱した佐々木に代わって3カ月ぶりに先発。前線で攻撃の起点となると、前半終了間際には井手口からの中央のスルーパスを左足でシュート。後半序盤には、ゴール前に抜け出した決定機で広島の佐々木がたまらず手で阻止。一発退場となった。

 神戸は波状攻撃を仕掛け、後半20分には復帰2戦目の武藤を投入。吉田監督が「彼らがチームを引っ張ってくれないと、自分たちの目標は達成できない」という2人がそろった。紫に染まった敵地で相手も逆に強度を高めて対抗し、広島の守護神大迫にも再三の好セーブで阻まれたが、何とかこじ開けた。

 相手GKに負けじと、神戸の元日本代表GK前川も、前半に至近距離のヘディングシュートをセーブ。地元広島で無失点に封じた。互いの闘志がぶつかりあった好ゲームを制し、後半キャプテンマークを巻いた酒井は「連鎖を断ち切れた」と息をついた。(井川朋宏)