サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)東地区1次リーグ第6戦で、J1リーグのヴィッセル神戸は8日、ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で成都(中国)と対戦し、2-2で引き分けた。4勝1分け1敗で勝ち点13とした。
逆転を許し、1-2の後半45分。神戸は佐々木が自ら獲得したPKを、右上へ鋭く突き刺して同点に。3年半指揮した吉田監督の花道を勝利では飾れなかったが、恩返しの同点弾となった。
京都に敗れたJ1最終節から中2日。先発7人を入れ替えた中、前半18分、酒井からの縦パスが通ってエリキへ。短いパスを受けた武藤が、反転して右へ流し込んだ。
昨季の最優秀選手(MVP)に輝いた武藤は今季、腰の手術で長期離脱し、J1リーグで1得点。無冠の責任を口にしていたが、今年の最終戦で8月30日以来となるゴールとなった。
神戸に三つの戴冠をもたらした吉田監督は、終幕が近づいても感傷的にならず、「目の前の一戦に集中する」という姿勢を貫いた。前半追加タイムに同点とされ、後半30分過ぎに献上したPKで勝ち越されても選手たちは諦めなかった。
「数々のタイトルを取れたのも彼のおかげ。出会えて幸せなことだった」と武藤。佐々木は「前への意識を言われ続け、成長させてもらった。自分のサッカー人生を変えてくれた」と感謝する。
試合後、吉田監督は惜別の記念Tシャツを着用した選手たちに胴上げされた。サポーターとハイタッチ。寄せ書きが贈られ、「タカユキ」コールが鳴りやまなかった。皆に愛された功労者が、惜しまれながら神戸を去った。(井川朋宏)
























