PK戦の末に勝利を決め、駆け出す神戸の(左から)日高、武藤、大迫、浜崎ら=サウジアラビア・ジッダ(ⓒJリーグ)
PK戦の末に勝利を決め、駆け出す神戸の(左から)日高、武藤、大迫、浜崎ら=サウジアラビア・ジッダ(ⓒJリーグ)

 サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)準々決勝が16日(日本時間17日未明)に始まり、ヴィッセル神戸はサウジアラビア・ジッダでアルサド(カタール)と3-3で迎えたPK戦を5-4で制し、5大会ぶりのアジア4強に進出した。

 中東の地で、神戸が絶望の淵からはい上がった。2点差から終了間際に追いつき、PK戦の末に難敵を撃破。スキッベ監督は「我々は最後の1秒まで得点を狙い続けた」と死闘をくぐり抜けた選手たちを誇った。

 まさに崖っぷちだった。スピードと決定力に秀でる相手に隙を突かれ、後半20分に1-3とリードを許した。途中出場のジェアンパトリッキと満田の連係から同29分に井手口が1点を返したが、わずか3分の追加タイムは終わろうとしていた。

 迎えたラストプレー。広瀬が上げた右クロスに武藤がニアで競り勝った。暑さで足はつっていたというが、「ふくらはぎがちぎれてもいい。このまま終われない」と走り込んで頭で突き刺し、直後に終了の笛は鳴った。

 延長戦では、ヘッドギア姿のGK前川がビッグセーブを連発した。出国前日の名古屋戦でトゥーレルと激突。ともに合流が遅れながら、先発で強行出場した2人の執念も実らせた。前川は「絶対チームに貢献して、タイトルを取りたい気持ちだった」と胸を張った。

 指揮官の後半の交代策も的中し、元ブラジル代表FWフィルミノらを擁する相手を総力戦で破った。中東情勢の混乱で駆けつけたサポーターは少数ながらも、主将の山川は「大きい声援のおかげで、誰一人諦めることなく戦い抜けた」と感謝する。劇的勝利で一体感を増し、このまま悲願へ突き進む。(井川朋宏)