しっくいを塗る河合美智子さん=豊岡市内(河合さん提供)
しっくいを塗る河合美智子さん=豊岡市内(河合さん提供)

 「永楽館と同い年の古民家を手に入れたけど、住めるようになるまで工事に何年かかるか…」。なんてことを書いたのは、昨年春。ようやく目処(めど)が立ってきました。来春には自宅から花見ができそうです。

 豊岡の湿気はやっかいですよね。床や畳がベコベコだったので、全部取っ払って乾燥させるところから始めました。そこからはひとつひとつ。形にしてみないとその先を想像できなかったので、だいぶ時間がかかりましたが、私たち夫婦の歩幅に合わせてくださる大工さんのおかげで、ここまで来られました。

 右麻痺(まひ)のある私には、元々あった階段は急すぎて新たに造り直すことに。香住の大乗寺に円山応挙の障壁画の特別公開を見学に行った際、山門手前の石段が上りやすいとピンときました。測ってみたら17センチ、即採用でした。これもご縁ですね。いろいろ相談に乗ってくれる友達もできたし、地域の皆さんはとっても優しいし、道具を譲ってくださる方もいて、人と人との繋(つな)がりというのは本当に有難いです。

 そんななか、懸念しているのは寒さ。今までマンション暮らしだったので、どれだけ違うのか住んでみないことには分かりません。ダウンを着て生活しないといけないかもしれませんが…。何はともあれ、楽しみすぎる!