視覚障害のある患者のために電話自動音声ガイダンスを作成した明石南高校の生徒ら=中山記念会館
視覚障害のある患者のために電話自動音声ガイダンスを作成した明石南高校の生徒ら=中山記念会館

 視覚障害者のための総合福祉機器展「アイフェスタ2025in神戸」が、神戸市兵庫区の中山記念会館で開かれた。明石南高校(明石市)の生徒らは、患者が支援情報にアクセスしやすくなるよう電話の自動音声ガイダンスを作り、兵庫県眼科医会のブースで実演した。(高田康夫)

■県眼科医会から依頼、4月ごろからプロジェクト開始

 県眼科医会によると、治療後の患者の生活を支える「ロービジョンケア」に取り組んできたが、紙媒体の紹介冊子しか手段がなかったという。ガイダンスは、患者が電話をかけ、音声の問いかけに従って選択していくだけで、病状に合った支援を提供する施設や団体の紹介を受けられる仕組みだ。

 県眼科医会から依頼を受けた明石南高の生徒6人が、今年4月ごろからプロジェクトを開始。目が見えない人にも分かりやすい音声ガイダンスサービスの選択や、伝える内容、言葉の速さについて検討を重ねてきた。

 電話の自動音声ガイダンスで患者と支援施設・団体をつなぐこの取り組みは、日本眼科医会も注目。来年春ごろには、県内の医療機関で紹介できるよう協議が進んでいるという。

 明石南高2年生の齋藤祐弥さん(16)は「誰でも目の病気になる可能性がある」と考えてプロジェクトに参加した。「いろんな人の役に立てればうれしい。全国や世界で使ってもらえたらありがたい」と話した。

 アイフェスタは、県網膜色素変性症協会の主催で、2003年から年1回開いている。県眼科医会のほか、13の企業・団体がブースを出して視覚障害者の生活支援グッズなどを紹介。病気や年金などの相談や盲導犬の歩行体験などのコーナーもあった。