眼下に望むテヘランの街並み(西田隆之さん提供)
眼下に望むテヘランの街並み(西田隆之さん提供)

■街中に日本車、「鬼滅の刃」フィギュアも

 イランの首都テヘランにある日本人学校の校長、西田隆之さん(59)=丹波市春日町黒井=に現地の様子を聞くインタビュー。後半は文化や食、暮らしなど、明るい話題を取り上げる。イスラエルとの対立や人権問題、核開発、経済制裁などネガティブなニュースが伝えられる一方、市井の人たちの姿はなかなか見えてこない。西田先生、イランって一体どんな国ですか?(聞き手・那谷享平)

 -イランの在留邦人は400人余り(2022年)。今の日本からはやや遠い国のイメージがある。

 「海外の日本人学校の校長をやりたくて小学校の先生を早期退職しましたが、文部科学省から派遣先がテヘランと知らされた時は、一瞬『どこの国の首都だったっけ』と思いました。未知なだけに興味が湧きましたが、悪いニュースも報じられているので、初めは戸惑いもありました」

 -実際に住んでみて。

 「暮らしているのは普通の人々です。一番感じるのは、街の人たちが人懐こくて人間味があるということ。とにかくよくあいさつし、笑顔で話しかけてくれる。現地の日本人たちの間では『困っていたら、必ず誰かが助けてくれる』と言われています。僕はペルシャ語ができませんが、周囲の見知らぬ人が英語のできる通行人を呼び止めてくれたことが何度もあった。経済制裁でジャポニー(日本人)が珍しいというのもあるかもしれません」

 -印象に残るエピソードは。