眼下に望むテヘランの街並み(西田隆之さん撮影、提供)
眼下に望むテヘランの街並み(西田隆之さん撮影、提供)

 イスラエルと停戦に合意したイラン。余談を許さない中東情勢は日本でも報じられているが、決して身近な国とは言えないのが現状だ。神戸新聞では2024年5月、首都テヘランで日本人学校の校長を務める西田隆之さん(60)=兵庫県丹波市=のインタビューを掲載。文化や食、暮らしなど、明るい話題を取り上げた。国家間の緊張が高まる今、見過ごされがちなイランの「普通の人々」の実像を紹介するため、記事を再掲する。(那谷享平)

 -イランの在留邦人は400人余り(22年)。今の日本からはやや遠い国のイメージがある。

 「海外の日本人学校の校長をやりたくて小学校の先生を早期退職し、23年度から日本人学校で校長をしています。文部科学省から派遣先がテヘランと知らされた時は、一瞬『どこの国の首都だったっけ』と思いました。未知なだけに興味が湧きましたが、悪いニュースも報じられているので、初めは戸惑いもありました」

 -実際に住んでみて。