五重塔の縁石として組まれていく竜山石=米サンフランシスコ、ゴールデンゲートパーク(松下尚平さん提供)

 兵庫県高砂市特産の高級石材「竜山石」が、米国で高い評価を受けている。サンフランシスコ市のゴールデンゲートパークにある日本庭園の改修工事に採用され、5月末から高砂市の職人による設置作業が行われた。現地の専門家は「建築分野で可能性を秘めた素材として、米国でも関心が集まっている」と話す。(笠原次郎)

 米国で竜山石が使われているのは、高砂市出身の建築家八木健吾さん(37)=加古川市=の貢献が大きい。古来、古墳の石棺や姫路城の石垣などに使われてきたが、その価値が広く知られていないことに奮起。高砂商工会議所の補助金を受け、2022年秋にPRのために竜山石を米国に船便で送り、サンフランシスコ市に渡った。

 八木さんを米国に招いたのは、全米で日本庭園を手がけるオレゴン州の造園家栗栖宝一(くりすほういち)さん(84)。知人を介して八木さんと知り合い、竜山石の風合いを気に入った。同パークのリニューアル工事に竜山石を使うことを決めた。八木さんと、同行した松下石材店(高砂市)の松下尚平(なおひら)社長(48)らが現地でデモンストレーションイベントを開いた。

 今年5月28日からは、松下社長と職人2人が渡米。五重塔の縁石や2基の灯籠(とうろう)の台座に竜山石をパズルのように組んでいく作業に当たった。

 同パーク向けに竜山石23トンを無償提供した松下さん。「竜山石の良さが国境を超えて広がっているのがうれしい」。栗栖さんは「湿度が高くなっても強度を保つことができるので、今後は内装素材として使うことも考えたい」と話している。