国内で計上すべき所得を米国の子会社に移したとして、名古屋国税局が、窯業系外壁材大手の建材メーカー「ニチハ」(名古屋市)に対し、2023年3月期までの3年間で約55億円の申告漏れを指摘したことが12日、関係者への取材で分かった。国外への所得流出を防ぐ「移転価格税制」を適用し、過少申告加算税を含め約15億円を追徴課税したとみられる。

 同社は処分を不服として国税不服審判所に審査請求した。「国税当局との見解に相違があった」とコメントしている。

 国税局は、ニチハと米国の子会社間の取引を巡り、本来の利益を国外に移したと判断したとみられる。