記者団の取材に応じる高市前経済安保相=28日午前、東京都千代田区
 記者団の取材に応じる高市前経済安保相=28日午前、東京都千代田区

 自民党総裁選候補の高市早苗前経済安全保障担当相は28日、靖国神社に合祀されている極東国際軍事裁判(東京裁判)のA級戦犯の扱いを巡り「分祀は考えていない」と東京都内で記者団に述べた。フジテレビ番組では、首相に就任した場合に靖国神社参拝を続けるかどうかを問われ「裁かれた戦犯は刑が執行された段階で、もう罪人ではない。どこからでも手を合わせたい」と語った。

 A級戦犯が合祀されている現状について高市氏は「靖国神社が意図的に何かをしたということではない。立法府の手続きを経て、厚生労働省から送られた名簿に基づいている」と記者団に強調した。

 林芳正官房長官はフジテレビ番組で、中曽根康弘元首相がA級戦犯の分祀に取り組んだ経緯を紹介し「皇室を含めて、わだかまりなく手を合わせることができる環境をつくるのが政治の責任だ」と強調した。茂木敏充前幹事長も林氏に同調した。