国際協力機構(JICA)の田中明彦理事長が8日までに共同通信のインタビューに応じ、アフリカとの交流を推進する「ホームタウン」構想の撤回について「移民導入や犯罪増加など客観的に裏打ちのない言説と結び付いてしまい、大変残念だ」と語った。政府開発援助(ODA)など国際協力を巡り「日本への信頼を向上させ、長期的に国益増進に貢献してきた」と意義を訴えた。
ODAは1954年に始まり、70年以上の歴史を持つ。田中氏は、日本が先の大戦で失った信頼を回復し、国際社会に復帰するために国際協力を積み上げる必要があったと指摘。「今では東南アジアの有識者調査で日本が最も信頼できる国だと言われる」と話した。
日本の協力はインフラ整備と人材育成を柱としていると強調し「各国の自立的発展の基盤になる」と指摘。具体例として、日本の支援で開業したインドネシアの都市高速鉄道(MRT)を挙げ、関係者の研修によって時間に正確な運営が可能になったとした。