記者会見する台湾国防部(国防省)の幹部=9日、台北(共同)
 記者会見する台湾国防部(国防省)の幹部=9日、台北(共同)

 【台北共同】台湾国防部(国防省)は9日、中国が軍事演習などで台湾周辺を封鎖する動きを強めているとして警戒感を示した。2年ごとに公表する「国防報告書」で明らかにした。米国や日本と連携して地域の安定を図ると強調。無人機や人工知能(AI)の活用で実戦に備えると説明した。インターネットを通じた中国による世論操作も脅威だと指摘した。

 中国が2024年から台湾を包囲する軍事演習や海警局の活動により海上封鎖の動きを強めていると分析。武力攻撃に至らない「グレーゾーン」の動きが実戦に転じる恐れがあるとした。

 米国との軍事交流のほか、日本との情報交換ルートの重要性にも言及した。記者会見した国防部の幹部は「民主主義国と安全保障上の協力を強め、地域の平和と安定に貢献する」と述べた。

 別の幹部は、ロシアとウクライナの戦争で多用された無人機の調達を進めて作戦能力を高める考えを示した。報告書は、無人機のサプライチェーン(供給網)から中国を排除し、AIなど先進技術も活用して防衛力を高めると訴えた。