百日ぜきの累計患者数推移
 百日ぜきの累計患者数推移

 国立健康危機管理研究機構は14日、激しいせきが続く「百日ぜき」を巡り、全国の医療機関から報告された今年の累計患者数が、5日までの速報値で計8万719人になったと明らかにした。現在の集計法となった2018年以降で8万人を超えるのは初めて。

 機構によると、9月29日~10月5日の1週間に報告された患者数は1193人で、前週の速報値から192人増えた。累計患者数は昨年までの最多だった19年の計1万6845人の約4・8倍で、大幅に上回っている。

 今年は4月以降に患者が急増し、患者数が前週を上回る状況が続いた。7月14~20日には1週間当たり3908人(速報値)に達した。8月上旬まで1週間当たりの患者数が3千人を超える水準だったが、その後減少傾向となっている。

 「百日ぜき菌」が原因で、感染力が非常に強く、飛沫などで広がる。風邪症状から始まり、徐々にせきが激しくなる。乳児は重症化しやすく、肺炎や脳症を併発して死亡することもある。今年は10代以下の子どもを中心に感染が広がっている。