【ワシントン共同】世界で2024年の1年間に810万ヘクタールの森林が破壊され、1分当たりに換算するとサッカー場22面分の面積に相当するとの分析を、米環境シンクタンクの世界資源研究所などのチームが22日発表した。温暖化抑止に向けた取り組みを発電や運輸など部門別に45項目の指標で分析したが、「順調」と評価された指標は一つもなかった。

 温暖化対策の方向性を議論する国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)が11月に開催される。議長国ブラジルは、二酸化炭素を吸収する熱帯雨林の重要性をアピールするため、アマゾン川の河口に位置する都市ベレンを会場に選んだ。森林保護の在り方も議論の焦点になりそうだ。

 温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」のもと、産業革命前からの気温上昇を1・5度以内に抑える目標の実現に向け、チームは対策の進捗を45の指標に基づき「遅い」「脱炭素に逆行」などと評価した。

 森林破壊については30年には年190万ヘクタールに抑制する必要があり、対策強化を訴えた。