インタビューに答えるウクライナの人権団体CCLのオレクサンドラ・マトイチュク氏=バンコク(共同)
 インタビューに答えるウクライナの人権団体CCLのオレクサンドラ・マトイチュク氏=バンコク(共同)

 ウクライナ情勢を巡る米国の和平案が注目されている。ロシアの戦争犯罪を記録し、2022年にノーベル平和賞を受けたウクライナの人権団体、市民自由センター(CCL)のオレクサンドラ・マトイチュク代表は、和平案にある戦争当事者の免責条項はロシアの犯罪を容認する間違った一歩だと非難し「侵略者を後押しし恐怖を他国に広げる」と警告した。(バンコク共同)

 -和平案の問題点は。

 「免責条項だ。ロシアがチェチェン共和国などで重ねた戦争犯罪が処罰されなかった結果、ウクライナは地獄に直面している。ロシア兵は『罰せられない』と確信し、拷問や性暴力を占領の技術としている」

 「免責の連鎖を絶たねば、ロシアが次の国を侵略し戦争犯罪を繰り返すのは時間の問題だ。免責条項は侵略者を後押しし恐怖を他国に広げる。非常に間違った一歩だ」

 -他の問題点は。

 「ロシアがウクライナの子ども2万人以上を連れ去りロシア化教育を行っている問題、戦争捕虜や拘束された市民の問題に触れていない。この和平案は、ロシアの次の侵略を食い止められない」