厚労省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関
 厚労省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関

 医療費の自己負担を一定額に抑える「高額療養費制度」を巡り、厚生労働省の見直し案が5日判明した。がんなど長期間治療を続ける患者に配慮し、直近12カ月で制度を3回利用すると4回目以降の負担額を軽減する仕組みは現行水準を維持する。支払い能力に応じた負担を徹底するため所得区分を細分化するほか、70歳以上の外来受診費を抑える特例も見直し、負担を引き上げる。

 政府は昨年末、患者負担を重くする見直し案をまとめたが、がん患者団体が「治療を続けられなくなる」と反発し全面凍結した。今回の見直し案も人によっては一定の負担増となるため、理解を得られるかどうかが焦点。患者団体が参加する専門委員会で議論し、意見を取りまとめる。