クリストファー米国務長官が細川首相に北朝鮮のコンティンジェンシー(不測の事態)に備えるよう伝えた記述がある外交文書
 クリストファー米国務長官が細川首相に北朝鮮のコンティンジェンシー(不測の事態)に備えるよう伝えた記述がある外交文書

 1994年2月の日米首脳会談でクリストファー米国務長官が、核開発計画を進める北朝鮮への対応に関し「コンティンジェンシー(不測の事態)を考えておく必要がある」と細川護熙首相に伝えていたことが24日公開の外交文書で判明した。国際原子力機関(IAEA)の核査察受け入れを巡る協議が難航。北朝鮮は翌3月「戦争が起きればソウルは火の海になる」と警告し、緊張が高まった。米側は北朝鮮の暴発などを視野に入れていた可能性がある。

 会談は2月11日、米ワシントンで昼食を交え行われた。極秘指定を解除された文書によると、同席していたクリストファー氏が、核査察を巡り「北朝鮮はかたくなな態度を変えず、IAEAの保障措置に同意しない可能性が(あ)る」と説明。偶発的な出来事が起きる場合に備えておく必要性に言及し、制裁を科す場合「日本の協力は非常に重要だ」と呼びかけた。

 細川氏は、北朝鮮が93年に発射した日本をほぼ射程に入れる中距離弾道ミサイル「ノドン」と核兵器開発が結び付けば極めて危険な状況になるとの認識を表明した。