署長感謝状を受けた植田葵彩さん(左)と石田茉希さん=尼崎北署
署長感謝状を受けた植田葵彩さん(左)と石田茉希さん=尼崎北署

 公園に1人でいた小学6年の男児(12)を家まで送り届けたとして、尼崎北署(兵庫県)は、尼崎市内の高校に通う女子生徒2人に感謝状を贈った。2人は「本当にやってよかった」と自分たちの行動を振り返った。

 県立尼崎西高1年の植田葵彩(あおい)さん(15)と県立武庫荘総合高1年の石田茉希さん(16)。伊丹市立笹原中学校時代の同級生という。

 2人は11月22日午後8時半ごろ、もう1人の友人と公園で遊んでいたところ、座り込む男児を見つけた。声をかけたが返事がない。心配になり、友人の男子生徒3人も呼んで改めて声をかけたという。

 男児は徐々に話すようになり、「遊んでいたら門限を過ぎ、怒られるかもしれないので帰れない」と理由を語ったという。そこで男児を自宅まで送ることにした。公園からは約2キロあったが途中、薬局でカイロを買ってあげたり、話しかけたりして送り届けた。

 感謝状を受けた植田さんは「困っている人がいたら、積極的に声をかけて助けたい」とにっこり。将来は心理カウンセラーになりたいという石田さんは「これからも人に寄り添うことを大切にしたい」と話した。

 田中和弘署長は「家に無事届けてくれて男の子も警察も助かった。なかなかできない行動」と2人をたたえた。(潮海陽香)