江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜が明治時代に興した徳川慶喜家の5代目当主山岸美喜さん(57)=名古屋市=が、先祖を祭り、墓を管理する「祭祀承継権」を東京・上野の上野東照宮に移す方向で調整していることが分かった。山岸さんが進めている「墓じまい」と家系を終わらせる「家じまい」の一環。慶喜らを祭神とする上野東照宮側は「任せていただけるならうれしい」と歓迎する。
徳川慶喜家は1902年、慶喜が公爵を授けられたことを機に、徳川宗家とは別に創設された。山岸さんは慶喜のやしゃごに当たる。2017年、当主に就任し、25年10月には祭祀承継者となった。慶喜の墓地は上野東照宮にほど近い、寛永寺所有地にあり、約990平方メートル。親族で管理してきたが、木々の剪定や塀の改修に多額の費用を要し、維持が難しいことから譲渡先を探していた。
上野東照宮は初代将軍家康と8代吉宗、15代慶喜を祭神とする。山岸さんから21年、相談があったのを機に、墓地の掃除や植栽の手入れを手伝ってきた。























