放射線を遮る機能を加えた石炭灰繊維から作ったテープ
 放射線を遮る機能を加えた石炭灰繊維から作ったテープ

 石炭火力発電の廃棄物由来の繊維が、太陽表面の爆発現象「太陽フレア」から航空機や人工衛星を守る-。電源開発(Jパワー)などは、石炭を燃やした後に出る灰を利用した繊維を開発した。耐熱性などに優れるほか、放射線を遮る機能を付加できる。宇宙や原子力分野での活用に加え、廃棄物の削減効果も期待されており、2026年以降の商用化を目指す。

 太陽活動は25年前後がピークで今後も活発な時期が続く見通し。太陽フレアによる放射線は、航空機の電子機器に影響を与える恐れがあり、昨年は欧州航空機大手エアバスの多数の機体が欠航するなど深刻な影響が出た。Jパワーが出資する新日本繊維(千葉県)の開発担当者は「宇宙放射線の脅威から人類を守れる」と意気込む。

 昨年12月、神奈川県茅ケ崎市に量産設備が完成し、報道陣に公開された。電気炉で溶けた石炭灰が髪の毛より細い直径0・016ミリの繊維に伸ばされ、次々と1本の糸に束ねられていた。

 製造工程で石炭灰にレアアース(希土類)の一種を混ぜると、宇宙から降り注ぐ放射線をほぼ遮蔽できる。