遠征先のスイスで記念撮影する深田茉莉(右)と兄の渚さん=2024年10月(渚さん提供)
 遠征先のスイスで記念撮影する深田茉莉(右)と兄の渚さん=2024年10月(渚さん提供)

 かつては競技者だったが妹に夢を託し、裏方に徹してきた。冬季五輪のスノーボード女子スロープスタイルで、金メダルを獲得した深田茉莉(19)を身近で支えてきたのが、一緒に暮らす大学4年の兄渚さん(22)。「努力が報われた」と笑顔を見せた。

 高校卒業まで競技を続け、地元の愛知から東京の大学へ進学したのを機に引退。「五輪を目指せる」と言われていた深田が拠点とする埼玉で同居を始め、競技生活を支える立場に。当時の胸中は「僕にはもうチャンスがない。茉莉には頑張ってほしかったけど、うらやましかった」。

 片道2時間半かけて大学へ通い、週末は深田が通う練習施設でアルバイト。家事の多くを担い、練習や遠征の送迎もこなしてきた。深田が結果を出すにつれ「サポートして良かった」と思えるようになった。

 大学生になるまで料理をした経験はほとんどなかった。栄養バランスを考慮し、同じ献立が続かないよう工夫を重ねた。

 深田は金メダルを手にした後「絶対に一人だとできなかったことなので本当に感謝しかない」と、兄を含む周囲への思いを語った。(共同)