【ロンドン共同】国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは18日、世界の死刑に関する2025年の年次報告書を発表した。把握できた執行件数は前年比78%増の2707件で、1982年以降で最多。うちイランは少なくとも2159件に上り、前年の2倍以上だった。団体は、イスラム体制を批判する市民らを政治的に抑圧する手段として死刑が利用されていると指摘した。

 中国は情報が公開されていないため総数に計上していないが、団体は世界最多の数千件を執行したとみている。北朝鮮でも、件数は不明だが執行があったとしている。

 報告書によると、イラン当局は市民を「神の敵」など定義があいまいな罪で訴追してきた。裁判では、拷問や家族に危害を加えるとの脅迫により強要された「自白」を証拠として提出。被告が正当な審理を経ず死刑判決を言い渡されていると批判した。犯行当時18歳未満の被告の死刑も執行された。

 死刑執行はイスラエルとの戦闘があった25年6月を境に増加。1~6月は654件だったが、7~12月は1505件へ倍増した。