記者会見する東京大の酒井邦嘉教授=2日、東京都武蔵野市
 記者会見する東京大の酒井邦嘉教授=2日、東京都武蔵野市

 漫画を電子書籍と紙の書籍それぞれで読んだところ、紙では脳の活動の一部が抑えられて「省エネ化」することが分かったとの研究成果を、東京大のチームが3日付の米科学誌に発表した。紙による読書は思考を促進していると指摘、「省エネ化」しても十分に文脈の理解ができ、他の活動に割り当てる余地が生まれるという。

 電子書籍を巡っては、政府がデジタル教科書を正式な教科書と位置付けることを閣議決定。チームの酒井邦嘉教授はデジタルによる脳への負担の大きさを指摘、小説や教科書にも成果が当てはまる可能性があるとし「教育効果には慎重な検討が必要」と訴えた。

 半数が普段から漫画を読んでいる大学生と大学院生25人を対象に実験。既存の漫画計4話を読んでもらい、うち2話を紙の書籍、残り2話をタブレットで電子書籍を読むように振り分けた。

 各話の前半を読んだ後、後半はMRI装置で脳の活動を計測しながら読書。終了後に内容について質問をした。問題は前半のみで分かるものと、前半と後半の両方を踏まえたものに分けた。